舳松人権歴史館

 施設概要

同和問題の啓発と学習を目的として、部落差別に関する歴史や実態をグラフィックや実物資料、再現模型などで紹介しています。

 

開催中の企画展

阪田三吉名人就位100周年記念~阪田三吉と名人位~

2025年5月14日(水曜)~2025年9月30日(火曜)

阪田三吉は、1870(明治3)年6月、和泉国大鳥郡舳松村(現堺市堺区協和町)で生まれました。

生涯師匠にはつかず、実戦で将棋の腕を磨き、1915(大正4)年2月、十二世名人・小野五平より八段位(準名人)を免許されました。

1921(大正10)年1月、小野が亡くなると、阪田は、次の名人候補の一人となりましたが、阪田自身に関根金次郎の名人襲位に異論が無かったことなどから、同年5月、関根が十三世名人に襲位しました。

1925(大正14)年4月、阪田は関西の政財界80余人に推薦され、「名人位」に就きました。これに対して、東京将棋連盟(現日本将棋連盟)は、「飽くまで斯かる暴挙を承認せず」という声明を発表し、阪田が名人位に就いたことを承認しませんでした。また、名人位に就いたことにより、阪田は公式戦からしばらく遠ざかることになりました。

阪田が亡くなってから9年後の1955(昭和30)年10月、日本将棋連盟は阪田に対して、名人位と王将位を追贈しました。

今回の企画展では、阪田が名人位に就位した背景に関して、阪田と阪田の後援者との関係を中心に取り上げます。また、名人に就いた棋士のうち、阪田とゆかりのある人物についても取り上げます。

「阪田三吉」の「吉」は機種依存文字の為、代用文字を使用しています。正しくは、吉の上辺は土です。


次回開催予定の企画展

「感染症と部落差別」~堺市と舳松のトラホーム対策~

2025年10月2日(木曜)~2026年5月10日(日曜)

感染症の拡大など危機に陥った時、人々はその問題について叩くべきスケープゴート(人の不安や憎悪などを個人や特定の集団に転嫁して自己防衛をすること)を探すと指摘されています。最近では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界で猛威をふるった時、中国人やアジア人を避けることがおこなわれました。過去を振り返ると、1892年アメリカでコレラが流行した時、ユダヤ人がコレラの培養源だとして住居から追い出され、1990年代初頭エイズが問題となった時には、HIV保菌者だとしてハイチ人が暴力や嫌がらせを受けたように、世界には数多くの事例が見られます。

日本においても幕末から明治にかけてコレラやペストが流行した時、それらの発生が被差別部落に特に多く見られたわけではなかったにもかかわらず、人々は「不潔」な空間として差別のまなざしを被差別部落に向け、トラホーム※1(クラミジア・トラコマティス感染による伝染性結膜炎)が全国で蔓延すると、今度は被差別部落がトラホームの発生源だという認識を広めていきました。病気を媒介として実態以上に「被差別部落が不潔で不衛生だ」という差別意識が顕在化し、「貧困」「不潔」「病」が被差別部落への差別意識をあらわす新しい指標となりました。

今回の企画展では、明治後半期から1980年代に至る各時代の中で、舳松※2に対する差別のまなざしを意識しながら、堺市と舳松がトラホームをいかに撲滅せんとしてきたのかという概略を示すことで、差別に抗い、「生きるための権利」を獲得する被差別部落の人々の姿を描いていく一助としたいと思います。

※1トラホーム

ドイツ語の「トラホーム」が、1930(昭和5)年の日本眼科学会で、ラテン語の「トラコーマ」に学術名として統一されました。しかし、今回の企画展では、使用する史資料の表記に合わせて、「トラホーム」と表記します。

※2舳松

この地域は1929(昭和4)年12月に耳原町と改称され、1957(昭和32)年10月協和町となりました。今回の企画展では。1929(昭和4)年12月以前を舳松(村)、それ以後1957(昭和32)年9月までを耳原町、それ以後を協和町と記載しています。

所在地

〒590-0822
堺区協和町2丁61-1
(人権ふれあいセンター内)

入館料

無料

開館時間

午前9時30分から午後6時30分まで

休館日

月曜日(祝休日は開館)・年末年始

最寄駅

阪堺線 御陵前
阪堺線 東湊

バス停

南海バス 大仙西町団地前
南海バス 旭ヶ丘北町

 

阪田三吉記念室

舳松出身の将棋名人・阪田三吉を映像『さんきい物語』や、ゆかりの品、記録写真などにより紹介し、業績を顕彰します。

「阪田三吉」の「吉」は機種依存文字の為、代用文字を使用しています。正しくは、吉の上辺は土です。

人権資料・図書室

同和問題をはじめ人権関係資料を中心に、小説や実用書などをそろえています。

開館時間

午前9時30分から午後6時30分まで

休館日

月曜日(祝休日は開館)・年末年始
館内整理日

 

☆お問い合わせ先
堺市立人権ふれあいセンター舳松人権歴史館
〒590-0822 堺市堺区協和町2丁61-1
電話番号 072-245-2536
F A X  072-245-2535